海で海洋ごみに絡まったり、これを誤って摂取したりすることで絶滅危惧種を含む700種類もの生物が傷つけられていますが、このうち92%が海洋プラスチックごみによるものと言われております。
プラスチックは時間の経過により細かくなっていきますが完全に分解されることはなく、マイクロプラスチックとして海に留まり海洋生態系への影響も懸念されています。
また、こういったプラスチックの多くは石油を原料としており、石油資源の枯渇や、焼却処理時に発生する温室効果ガスによる環境負荷が問題視されています。
100%バイオベースの海洋生分解性プラスチックは、PHAを原料とし、海中で分解する機能を備えるため、これらの問題を解決することができます。

100%バイオベース
自然界に存在する多くの微生物は、細胞内にポリエステルを蓄積することが分かっています。
このポリエステルはPHA(ポリヒドロキシアルカノエート)と呼ばれ、植物由来の糖や植物油を微生物に与えることで微生物の体内に生成されます。
発酵により微生物を増やすことで、PHAも増加させ、これらを取り出すことでプラスチックへと加工することができるようになります。
PHAを原料とし加工されたプラスチックは、バイオベース100%となり、石油を原料としないため持続的な生産が可能になります。

微生物の細胞内に生成されるPHA

3HB
[C4H6O2]m[C4H6O2]n
4HB
PHAの化学構造
生分解性と既存の生分解材料との適合性
微生物から生成されるPHAは、海中で完全に分解され、最終的にはCO2と水になるため、焼却処理時に発生する温室効果ガスによる環境負荷もありません。
また、既存の生分解材料と適合させることで、海洋、土壌、家庭、工業用コンポストなどあらゆる生分解様式に対応でき、
柔らかさ、離型性、耐衝撃性、透明性等を与え既存の生分解材料がもつ課題の解決にもなります。
既存の生分解材料との適合性

生分解レベル
海洋
scPHA
scPHA
+
aPHA
aPHA
土壌
家庭
工業
PLA
+
aPHA
PLA
硬く脆い
柔らかい

性質
構造による結晶性の制御
3HB 100%